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進展及び技術面のSARPsを担当するパネルの間で、これらの新システムに対する運用要件を考慮しないままSARPsの改定作業等が進められる傾向があることから、ANCは、ADSPに対して、今後もこれら新ATMシステムに対する運用要件の策定を主体とした作業を継続することを命じました。
今後は、パネル名称の変更を含め、今後の作業計画等についてANCの判断を仰ぐことになります。
3・1・1・5 ANAのACARS(Aircraft Communication Addressing and Reporting System)について
〔空地データリンク〕
3.1.1.5.1 INTRODUCTION
1)ACARSとは
ACARSとは、従来から使用しているVOICE FREQUENCY(=VHF周波数)と同周波数帯を使用しVOICEの代わりに、DIGITAL DATAを用いて機上と地上の間のCOMMUNICATIONを行うSYSTEMである。当面、COMPANY COMMUNICATIONに限り利用されるが、今後他の用途へも拡張できる。
2)ACARS導入効果
〔機上〕
・通信の混雑が改善される。………ACARS専用周波数の設定。
・通信業務がより確実になる。………通信内容の表示/印字
・通信業務がより効果的になる。………定型通信の自動化。
〔地上〕
・機体情報を有効に活用できる。………機上のコンピュータ(CFDS)で機体の不具合
を検知して、その情報を自動的に地上に送る。この情報により、必要部品の準備及び手順の確認ができる。
・運航情報を有効に活用できる。………機上のコンピュータ(AIDS)で運航中のTURBULENCE等の情報を自動的に地上で受け取ることで次便の参考にできる。
3)ACARSの歴史
地上と航空機間の通信は、従来からVHF/HF無線電話が利用されてきているが、1972年に開催されたICAO第7回航空会議の勧告に基づき、これらに使用される定型的な通信は、極力データ通信に置き換え、音声通信は遭難・緊急通信を含む非定型的な通信に限る方向で研究会開発が進められてきた。
このような動向を踏まえ、ARINCは運航管理通信用の空地データリンクの開発を進め、ACARSというVHFによる空地データリンクシステムを構築し、1977年から北米大陸内で運用を開始した。現在はアラスカ、ハワイ、カナダやメキシコなどにもシステムを展開している。この結果、操縦室内における作業負担はかなり軽減され、音声通信の輻輳緩和がなされたこ

 

 

 

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